8月7日は、毎年恒例の淡交会志貴野青年部のお茶会に参加してきました。今年で、青年部の最終年齢に達し、お手伝いは最後になります。
特に今年は、お茶会の設えがどのように出来ていくか、次の世代に伝えることを自分自身の役割だと思って、取り組みました。その工程を会場設営の視点で報告させていただきます。
まず、春に会場が決まりました。茶会に来ていただくお客さんを想定します。この会の活動を、多くの人に知ってもらい、気軽にお茶を楽しんでいただける場所です。車椅子の方でも、気軽に参加できることを念頭に、数か所の候補から、4年ぶりにウィンクウイング高岡1階交流スペースとなりました。
6年前に同じ場所でおこなった茶会です。氷の水指、懐かしいです。
次に部長が、今年のテーマを決めます。震災後の部長の心境は、癒しだったようです。この状況で、茶道にできることを問いかけ、緑・大地・癒しをテーマとし、多くの人に癒していただきたいと思ったようです。このテーマの話の時に、木漏れ日の下や川床でお茶をいただきたい、畳の上で平点前をしたいなど、おぼろげながら、要望がでてきました。(雲さんなにかできますかね~。んー、なんとかします。)いままでの経験が信頼を作っています。
今年は、早速、かわいい会員でインテリアデザイナーのNさんとお茶しながら、形のイメージになる会話をし、スケッチとプレゼンをお願いしました。
そして、幹部の方との打合せです。緑が茂る素敵なプランができましたが、会場での製作時間や、コストの面でいろいろ厳しい指摘を受けました。Nさんには、辛い体験となりました。
それでも、イメージを形にするため、フレームのシステム化や、緑に変わる木漏れ日感がイメージできる表層を模型をつくりながら、修正いたしました。(いつも会場設営の経費を抑えろと言われ続けていた経験が活きます。)
日も迫り、部長の焦りを感じたので、つい手を出してしまいました。育成の立場なのですが、、、。いけませんね。
そして、アイディアと体を動かすことで、心意気を伝えることをわかってもらうため、竹伐採を数名で体験してきました。
1日かかって、切った竹を割って、きれいに面取りをします。(この下準備も、料理といっしょでとても大切です。)また、表層の木漏れ日は、障子紙を網目になるように皆で切りました。(ちょっと単純で、精密な作業だったので、鱧の骨切りをイメージして頑張る指示しました。)
いよいよ組み立てです。朝9時に集合し、夕方6時まで時間がかかりました。このあたりは、
志貴野青年部のブログを見てください。会記もこのブログで確認ください。
6時の時点で空間の確認をし、表層がもう少し下まであった方がいいとなり、茶会当日の朝、増やしました。
完成です。
川床をイメージするガラスの川もできました。ガラス板、ビーズ、布などは、一度使ったものを転用しています。一応、消耗品ですが、物持ちいいです。
いよいよ、お客さんを迎い入れ、お茶会が始まりました。
ファッションショーのようなセンターステージの点前座です。
畳の上での平点前ですが、水指に梶の葉の葉蓋点前になりました。夏らしく清々しく感じます。
その他の道具も、涼しげなものが揃いました。
何もないホールに突如現れたドーム。その下でいただくお茶は、非日常の空間体験ができ、好評のようでした。そして、6時には全て解体し、元の何もないホールになりました。1日限りの設えもお茶の心に通じるものがあります。
そのあと、遅くまで反省会をいたしました。次世代に伝えることができたと思います。